給湯器の寿命は?耐用年数より長持ちさせたい!水漏れ・故障の予防策
給湯器を選ぶ際に気になるのが、「給湯器の寿命」です。各メーカーが給湯器ごとに設定している「安全に使用できる年数」は、だいたい同じくらいであることが多く、さほど差はありません。しかし、実際の給湯器は、数年で壊れてしまうこともあれば、数十年持つこともあります。どうして給湯器の寿命はこんなにも幅が広くなってしまうのでしょうか?
この記事では、給湯器の寿命が幅広い理由や、給湯器を長持ちさせるための方法、劣化のサインなど、給湯器の情報をまとめてみました。この記事を読めば、ご自宅の給湯器の状況や、劣化のサインが出たときの対処法がわかることでしょう。
目次
給湯器の寿命と耐用年数について
各メーカーが設定する「安全に使用できる年数」にはそれほど差がないにも関わらず、実際の給湯器の寿命は幅広く、8年で壊れてしまう給湯器もあれば、15年の給湯器もあり、中には30年も使用できた、という情報もあります。どうして給湯器の寿命というものはこんなにも幅が広いのでしょうか。その理由をご紹介します。
給湯器の寿命に8~30年と開きがあるのはなぜ?
給湯器の部品は、給湯器の製造打ち切り後、10年前後で取り扱われなくなる場合が多いです。故障しても、部品の取り扱いがなく、修理ができないため、仕方なく給湯器を手放してしまう方もいるでしょう。また、日々の給湯器の使い方によっても給湯器の寿命は大きく左右されます。
ちなみに給湯器の「耐用年数」は6年
業務用などとして経費で購入する場合、給湯器は減価償却資産になります。減価償却というのは、高額な機械設備などを、一度に経費として計上するのではなく、1年ずつ分割して計上していくことをいいます。
給湯器の法定耐用年数は、原則、国によって6年と定められています。したがって、給湯器を減価償却費として計上する場合、1年あたりの費用は「購入費用÷6(年)」という計算式で算出することになるでしょう。
ただし、国が定める耐用年数はあくまで税法上の基準であり、実際の給湯器の寿命が6年というわけではありません。給湯器は丁寧に扱うことによって、法定耐用年数よりも、長く使用することが可能です。
給湯器に寿命のサイン?注意したい症状
8年~30年と実に寿命の幅が広い給湯器。もし給湯器の寿命が近づいたときに出るサインがわかれば、早めに対処することができ、給湯器を長持ちさせることができるかもしれません。以下のような症状が給湯器に現れたら、一度業者に給湯器を見てもらったほうがよいでしょう。
- お湯の温度にゆれがある
- 「ボン」と異音がする
- 設定温度よりあきらかにぬるい
- 湯張りはできるけれど、追い炊きができない
- 給湯器から煙が出ている
給湯器の部品交換が可能なのは、その給湯器の製造打ち切りから約10年です。それ以降は、メーカーによる部品の保有が保証されていないため、修理ができなくなったり、買い替えたりしなければいけなくなるかもしれません。給湯器を買い替えると、修理に比べ多額な費用がかかります。修理できるうちに早めに修理をして、少しでも給湯器の寿命を延ばしてみてはいかがでしょうか?
給湯器が長持ちする使い方のポイント
給湯器の使い方も給湯器の寿命に大きく関わってきます。無理な使い方をすると、それだけ給湯器に負担をかけることになり、結果的に給湯器の寿命を縮めてしまいます。ここでは給湯器を長持ちさせるためのポイントをいくつかご紹介します。
給湯器本体の設置位置はベスト?
あなたの家の給湯器は適切なところに設置されているでしょうか?給湯器は排気口から温かい空気を排出します。給湯器の周りに障害物があると、排出された空気が滞留し、再び給湯器が排出された空気を内部に取り込んでしまいます。そうなってしまうと、機械内部で不完全燃焼を起こし、給湯器に負担がかかってしまいます。
水を使う時は、蛇口をお湯側でなく水側に切り替える
給湯器をオフにしている状態のときに、お湯側の蛇口で水を使っていることはありませんか?確かに給湯器をオフにしておけば、お湯側の蛇口からでも水が出ますが、お湯で温められている給湯管にいきなり冷たい水が通ると、給湯管で結露が発生します。その結露が給湯管の錆や腐食につながるので、お湯側の蛇口で水は使わないようにしましょう。
フィルターの洗浄をこまめに
追い炊き機能のある給湯器だと、浴槽にフィルターがついています。このフィルターは非常に目が細かく、髪の毛やゴミなどがつまりやすいです。
給湯器で追い炊きをする際は、フィルターを通して浴槽の水を給湯器へ流します。そして、給湯器で再度水を温めたら、もう一度フィルターを通して、浴槽へと戻します。
ですから、フィルターがつまってしまうと、追い炊きをする際に、水とお湯がうまく循環することができず、温度が上がりにくくなってしまいます。温度が上がらないからといって、設定温度をむやみに上げてしまうと、給湯器に負担がかかってしまい、故障につながります。
入浴剤の使用は控える
入浴剤には、酸性物質が含まれています。入浴剤を使用した浴槽の追い炊きをすると、配管に酸性物質の混じったお湯が通るため、配管の劣化や腐食を招いてしまうかもしれません。
井戸水や温泉水はなるべく通さない
井戸水や温泉水の中には、炭酸カルシウムが含まれていることがあります。温泉水や井戸水を追い炊きしてしまうと、給湯器内に炭酸カルシウムが付着してしまい、温度調節機能を狂わせてしまうことがあるのです。その結果、温度のゆれが激しくなり、給湯器にかなりの負担がかかってしまって、故障を招いてしまうかもしれません。
長期留守にする場合や凍結などに気を付ける
冬場に旅行などで給湯器を長期間使用しないでいると、給湯器が凍結してしまうことがあるので注意が必要です。給湯器が凍結するとお湯が出なくなります。お湯を出そうとして設定温度を上げると、給湯器に負荷がかかります。冬場に給湯器を長期間使用しない場合は、後にご紹介する給湯器の凍結対策をしておきましょう。
使用5年以上経ったら点検してもらう
給湯器は5年くらい使用し続けていると、部品が劣化し始めてきます。一方で、給湯器の製造打ち切り後10年前後が経ってしまうと、メーカーによる交換用部品の保有期間が経過してしまい、給湯器の修理ができなくなってしまうことがあります。こうしたことを避けるためにも、使用し始めて5年以上経った場合は、一度点検をしてもらうとよいでしょう。
給湯器の耐用年数を上げる4つのアイテムとは
給湯器を買い替えるとなると多額の費用がかかってしまうので、できるだけ給湯器を長持ちさせたいですよね。ここでは、給湯器の耐用年数を上げる4つのアイテムをご紹介していきます。
配管カバー(化粧カバー)
別名「化粧カバー」ともいう配管カバーは、むき出しになった給湯器の配管をすっぽりと覆うフタのようなものです。配管カバーを給湯器に取り付けることで、配管を風雨から守ることができ、給湯器の寿命を延ばすことができます。
排気カバー
給湯器の排気口に取り付けて、排気の向きを自由に変えることができます。これを使用すると、給湯器の排気の滞留を防ぐことができるので、給湯器の周りに十分なスペースを確保できないご家庭にはおすすめです。
保護テープや保温チューブ
保護テープや保温チューブは配管に巻き付けることで、給湯器の保温機能を向上させます。また冬場の配管の凍結防止にも役立ちます。ホームセンターなどで簡単に入手することができるので、寒い地域に住んでいる方はぜひ利用してみてください。
配管用ヒーター(凍結防止帯)
配管用ヒーターを配管に巻き付けて、コンセントに差し込めば、配管を温め、凍結を防止する効果があります。設置する際は配管用ヒーターを巻き付けて上から保護テープを巻き付けると安定します。ホームセンターで簡単に入手でき、「凍結防止帯」という名前で売られていることもあります。
給湯器のガス代節約テクニック
給湯器があるとついついお湯をたくさん使ってしまうものです。そこで気になってくるのが「ガス代」です。じつは給湯器の使い方を少し変えるだけで、ガス代を節約することが可能です。ガス代の高騰に悩んでいる方のために、次は給湯器のガス代節約についてお話していきます。
食器洗いのガス代節約術
食器を洗う際、寒くなるとどうしてもお湯が使いたくなってしまいます。実際、お湯で食器を洗う人はなんと全国で8割以上もいる、というデータもあります。さらに水で食器を洗うのとお湯で食器を洗うのでは、年間のガス代になんと7,000円も差が出てしまうそうです。
ガス代を節約するためには、なるべく食器は水で洗ったほうがよいでしょう。冷たい水で長時間洗い物をすることができない方は、洗い物をためずにこまめに洗ってみてください。一回の洗い物の時間が短縮できるので、水に手をさらす時間も短くなります。
お風呂のガス代節約術
給湯器の設定温度を少し下げるだけで、ガス代を節約することができます。実際に設定温度を2度下げることで、年間のガス代を1,500円ほど節約することが可能です。また、浴槽にお湯をためた場合は、お湯がぬるくなってしまう前に家族全員がお風呂入るなどすれば、追い炊きをしなくて済むので、ガス代を節約することができます。
ガス代をカード払いにする
ガス代の支払いをカード払いにするとさまざまなメリットがあります。まずはいちいち料金を支払いに行く手間が省けるということ。うっかりやりがちな払い忘れも防止できます。また、割引サービスが適応されることもあるのです。サービスの額は微々たるものですが、ちりも積もれば山となります。
さらに、支払い金額に応じてカードにポイントが付与されるという点もメリットです。還元率はカードの種類によっても異なりますが、カード払いに変更するだけでポイントがもらえるのですから、お得な話ですよね。
ガス代を直接払いに行っている方や口座引き落としにしている方は、カード払いに変更してみてはいかがでしょうか。
料金設定の見直しやガス会社の変更をする
「なんだかガス料金が高い」と感じる方は一度、ガス料金のプランを見直してみるとよいでしょう。近頃ではさまざまな料金プランを扱っているガス会社もあります。自分に合った料金プランに変更することで、月々のガス代を節約することができるかもしれません。
また、プロパンガスを使用している家庭で現状の料金に不満を感じている方は、思い切ってガス会社を変更してみるのも一つの手段です。なぜなら、プロパンガスはガス会社が自由に料金を設定することができるので、中には悪質な料金設定をおこなっている会社も存在するからです。
古い給湯器なら最新のものに変えるだけで効果大
古い給湯器と比べると、現在の給湯器は省エネ化がどんどん進んできています。使用している給湯器を最新型のものに買い替えるだけで、大きくガス代を節約することができるかもしれません。古い給湯器を使用していて、ガス代が気になる方は、購入費用はかかりますが、思い切って新しいものに買い替えてみるのもひとつの手です。
とはいえ、高価な給湯器。購入する際には慎重にならなければいけません。絶対に給湯器選びに失敗したくない方は、業者に給湯器を選んでもらうことをおすすめします。業者ならきっとあなたに合った給湯器を提供してくれるでしょう。
まとめ
給湯器の寿命は幅広く、使用方法によってもその寿命は左右されます。給湯器を長持ちさせたいのであれば、正しい給湯器の使い方を心がけましょう。また、給湯器の耐用年数を上げるグッズもあるのでぜひそちらも利用してみてください。
給湯器の買い替えを検討している方は業者に相談するとよいでしょう。業者はあなたにとって最適な給湯器を提供してくれます。
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