散水栓から立水栓へ交換しよう!費用・種類・選び方…なんでも解決
水を使うことは生活するうえでは欠かせないことです。だからこそ水回り用品を、「もっと便利に」「もっと自分好みに」と思われる方も多いでしょう。
本コラムで紹介するのは、水回り用品のうちのひとつである「立水栓」です。一般的に家を建築する際には散水栓が設けられるのですが、散水栓だと水を使うたびにしゃがまなければいけないなど、不便な点がいくつかあります。その点、立水栓は高所に蛇口があり、立ったまま水を利用できるため便利です。
立水栓のメリットは、それだけではありません。庭に作れば雰囲気を変えられますし、駐車場に設ければ洗車が楽になります。それではさっそく詳しく見ていきましょう。
目次
散水栓から立水栓への交換はオススメ!
散水栓から立水栓への交換には、メリットがいくつもあります。もしも現在散水栓を使っていて、水回りのことで不便に感じている・不満を抱かれているある場合、立水栓に交換することで解消されるかもしれません。立水栓のメリットと、現状の水回りに対する不平不満とを照らし合わせてみてください。
立水栓へ交換するメリットとは?
立水栓へ交換するメリットには、以下のようなものがあります。
・水を使うときにしゃがまなくて済む
地面に埋め込まれる形で設けてあるものがほとんどの散水栓とは違って、楽な体勢で水を使うことができます。
・デザインが豊富
立水栓は散水栓よりもデザインが豊富で、さまざまな色や形があります。そのため、自宅の雰囲気に合ったものを選ぶことが可能ですし、反対に個性的なデザインにすることで自宅や庭の様相を変えることもできます。
・土が溜まったり虫がわいたりする心配が少ない
散水栓の場合、地中にあるということで散水ボックスの中に土が溜まってしまったり、虫がわいてしまったりするおそれがあります。しかし立水栓だと蛇口が高所にあるため、土が溜まったり虫がわいたりする可能性が低くなるのです。
・水漏れを発見しやすい
地中に埋まっている形の散水栓とは違って、立水栓は水漏れの発見が容易になります。漏水は水道代が上がったり、建材に悪影響をもたらしたりするため、早急な対処が必要な生活のトラブルです。発見までの時間が縮められる点はメリットといえます。
立水栓にするとこんな場面で大活躍!
立水栓が活躍する機会として、代表的なものを5つご紹介します。
・草木への水やりが楽になる
散水栓では吐水口(水が出る部分)が1箇所のため、ホースを常時つなげておくことが難しいです。立水栓は補助蛇口を付けることで吐水口を増設できるため、常につなげておくことが可能です。そのため、ホースを着脱する手間がかかりません。
・洗車が楽になる
駐車場近くの散水栓を立水栓に交換すれば、洗車も楽になります。クリーナーやワックスの付着した道具類も、立水栓であれば立ったまま洗えるため、しゃがむ必要のある散水栓とは違って身体への負担も少ないでしょう。
・汚れて帰ってきた子供やペットを洗う
外で遊んできた子供や散歩から帰ってきたペットの身体も、高所に蛇口があるため、楽に洗うことができます。外で多少でもキレイにしておけば屋内が汚れてしまうリスクを抑えられるはずです。
・水遊び
庭で子供たちやペットに水遊びさせることも、とても簡単になります。子供用プールに水を入れるのも簡単になるため、夏場にはよい思い出を作ることができるでしょう。水遊びが大好きなペットも満足させられるはずです。
・バーベキュー
家族や知人と庭でバーベキューをやるときにも、立水栓は大活躍します。片付けの際に火の始末を簡単に済ませられるだけでなく、万が一火が何かに燃え移ってしまったとしても、立水栓に常時ホースをつないでおけば迅速な対処が可能です。
散水栓から立水栓へ交換するための費用
散水栓から立水栓への交換は、自力でおこなうことも可能かもしれませんが、かなり難易度の高い作業です。交換は、できるだけ業者に依頼しましょう。ここでは、業者がおこなう交換作業やその費用相場についてご紹介します。
費用内訳
費用の説明を始める前に、簡単に業者の作業手順を簡単に紹介します。
散水栓から立水栓への交換の際は、まず水道管の元栓を閉めます。次に、現在設けられている散水栓を、周囲のパイプ類が損傷しないように注意しつつ取り除き、パイプを立水栓の設置場所まで伸ばしてから、立水栓の土台を作れば完成です。
工事費はおおよそ20,000円~80,000円といわれています。ですが、パイプ類の延長の程度などによっては、100,000円を超える場合もあるので注意してください。さらに、散水栓とは違って立水栓の場合は排水のために配管を増設しなければならないケースもあるため、さらに工事費が高くなる可能性もあります。
施工業者の費用は、だいたい「立水栓本体にかかる費用』「施工費用」「基本料金」の3つで構成されています。業者の中には、基本料金の中に出張費や見積もり費、その他諸経費が含まれているところもあれば、基本料金とは別途、出張費や見積もり費を請求するところもあります。業者を選定する際は、必ず費用の詳細を確認しましょう。
立水栓本体の費用の相場
立水栓本体の費用は、だいたい20,000円後半から100,000円までに収まるものが多いですが、ものによっては100,000円を超えるものもあります。水道を利用するだけのものは比較的安価になりますが、中には軒下コンセントと一体化になっているものもあり、そういったタイプは100,000円を超えるものが多くなります。
立水栓を設置する前に確認したいこと
立水栓を設置する前に、注意点や確認するべきことも知っておきましょう。
冬場に凍結してしまうおそれがある
立水栓は散水栓と違って常に外部に晒されている状態なので、生活している地域の気候によっては、凍ってしまうかもしれません。
対策としては立水栓に毛布をかぶせたり、凍結防止シートを巻いたりする方法があります。ですが、冬期になるたびそうするのは手間ですよね。そういった場合は、凍結防止機能を備えた立水栓を選びましょう。
自分がどういう意図で水道を使いたいのかを考える
自分がどういった意図で使いたいのか、今どのような不満を抱いているかを考えることで、目的やお悩みに合わせた正しい立水栓を選ぶことができるようになります。
たとえば、「ガーデニングを日常的にしているが、足腰が悪いため低所に蛇口があると身体的に辛い」という方は、自分が最も楽な体勢で水を利用できる位置に蛇口のある立水栓を選びましょう。
また、「洗車したいと思うたびにホースを装着し、洗車を終えるとまた外さなければいけないから面倒』という悩みを抱えている方であれば、補助蛇口のある立水栓を選べばよいということになります。補助蛇口があれば吐水口が2つになるため、一方に常時ホースをつないだままにできるからです。
どんな立水栓にする?選び方のポイント
立水栓のモデルやデザインは多種多様です。散水栓から立水栓への交換をした後に不満を見つけたとしても、費用がかかるためすぐにまた取り換えとはいきません。一度で満足のいくものを設置するためにも、色や形をしっかりと考えましょう。
まず庭とのトータルバランスを考えよう
基本的には現在の庭の雰囲気になじむものを選びましょう。植えている草花の色や、植木鉢の色や形状など、立水栓がまだない現在の庭をじっくり眺めてみたうえで、庭の調和が乱れない立水栓を選ぶことが基本です。
和風な立水栓にしたいとき
立水栓の種類には、ボディが青竹風のデザインや、ボディにかぶせて使う枕木風のカバーなどがあります。庭の雰囲気がすでに和風で統一されているなら、こういったデザインの立水栓を選ぶことで、すでにある和の調和を乱す心配もありません。
洋風な立水栓にしたいとき
立水栓の中には洋風なデザインも多いです。たとえばアンティークレンガ調の立水栓であれば、昔ながらのクラシカルな雰囲気の洋風住宅にはよく似合います。敷石や植木鉢にレンガをふんだんに使っている庭にも、そうしたレンガ調の立水栓は最適です。
さらに、蛇口を「飾り蛇口」にしても、洋風な庭や住宅にはよく似合います。花や鳥、魚を模した形状のハンドルを選ぶことで、庭にささやかなアクセントを与えることも可能です。
立水栓には「パン」も一緒に設置しよう
立水栓は蛇口が高所にあるからこそ、パンを蛇口下に設けることができます。色や形、材質もさまざまなものがあるため、設置する際には立水栓本体や家の外壁とマッチしたものを選びましょう。
パンとは?
蛇口の下に設ける水受けのことです。パンがない状態で水を使うと、使った水はそのまま地面へ垂れ流しになってしまいますが、パンがあればそこで水を受け止めることになります。地面ではねた水によって足元が汚れるようなこともなく、清潔に水を使うことができます。
選び方
パンの種類はさまざまあり、角型の形状は底が平らなものが多いため、洗い物をするのに適していますし、丸型は角型に比べて立水栓全体にやわらかい雰囲気を出す効果があります。ほかにもサビに強いステンレス製のものや、和風な庭にはピッタリな陶器や石で作られたものもあり、そしてそれぞれ価格も違うため、吟味しなければなりません。
基本的には、立水栓本体のデザインに最も合ったパンを選びましょう。しかし、あえて立水栓本体が洋風だからパンを和風のデザインにするというのもよいでしょう。
プロにまかせて安心!立水栓設置
本コラムの前半でも紹介しましたが、散水栓から立水栓への交換は業者にまかせた方がよいです。中にはご自身でしっかりと作業をおこなえる人もいることでしょう。ですが、難易度が高い作業なので自力での交換が不安な方は、信頼のおける業者に必ず依頼しましょう。
信頼できる業者を探そう
業者の選び方のポイントとして、まずは、見積もりと相談を無料でおこなってくれているかどうかに注目しましょう。そうすれば、相談と見積もりの段階で、スタッフの対応がよいか判断できます。「尋ねたことにはハキハキと丁寧に答えてくれる」「礼儀正しく、愛想がよい」など、そういったところが満たされていれば、安心してまかせられそうですよね。
見積もりが済んだら、見積書に不明点がないか、必ず確認しましょう。また、業者の料金システムによっては、見積もりや相談は無料でおこなっていても、施工中に見積もりにない作業が必要になった場合、後でその代金を上乗せされることもあります。見積もり金額以上の費用が発生することがあるのかどうかは、事前にしっかりと確認しておきましょう。
最後にもうひと手間かけて、ここまで紹介したポイントをすべて満たした業者の中で、相見積もりをとることをおすすめします。同じ施工内容だとしても、業者によって金額に差異が生じることは珍しくありません。信頼できると判断した業者の中で相見積もりをとって、最も納得できる金額の業者に依頼しましょう。
業者に依頼すると、自分で交換をおこなうより費用は確かにかかります。しかし自力で交換作業をおこなった結果、配管などを破損させてしまうなどの問題が発生すれば、立水栓への交換に要する費用よりも高額な修繕費が必要になるかもしれません。立水栓の設置は、信頼できる業者への依頼をおすすめします。