水栓の交換手順を蛇口のタイプ別でご紹介!注意点や作業のコツも解説
水栓の交換はDIYでもおこなうことができますが、作業するまえには注意点やコツについて知っておく必要があります。なぜなら、水栓にはさまざまなタイプがあり、正しく取り付けないと水漏れのおそれがあるためです。もし水栓の交換を自分でしたいというかたは、失敗しないためにも正しい取り付け方法を身につけておきましょう。
こちらのコラムでは、単水栓や混合栓の交換方法や作業上の注意点などを解説します。水漏れなど失敗しないためのコツについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
自分で水栓交換するまえに確認しておくこと
台所や洗面所にある水栓は、自分で交換することができます。ここでは、自分で水栓を交換するまえに確認しておくべきことについて解説します。
交換しなくても修理で対応できることがある
水栓の交換は、おもにハンドルをひねるタイプからレバータイプに取り替えたいときなどにおこなうものです。中には、ハンドル部分に水漏れなどの不具合が起きることから交換を検討するかたもいるかもしれません。ただし、不具合の場合は、原因を特定すれば修理で済むこともあるのです。
たとえば、使用頻度の多い蛇口では、ハンドル内にあるコマ・パッキンを交換したり、ボルトやナットの緩みを締めたりするだけで水漏れが止まることもあります。また水の出る勢いが弱かったり飛び散って出てきたりする場合も、吐水口の先端を歯ブラシなどで擦れば、異物などが取れてスムーズになることもあります。
不具合が原因の場合は、まず修理できるかどうかで判断するようにしましょう。修理であれば、水栓ごと取り替えるよりも安く費用を抑えられるだけでなく、作業も簡単にできるはずです。
蛇口の交換目安は10~15年
一般的に蛇口の耐用年数は、使用頻度にもよりますが10~15年といわれています。もし長く使っている古い水栓の場合は、部品を交換しても水漏れなどが発生するだけでなく、すぐにほかの箇所でも不具合が出るおそれがあります。
もし10年以上使っている場合は、水栓を新しいものに交換するのがおすすめです。とくに壁付の水栓で使うたびに蛇口がガタガタと動く場合は、配管自体が傷んでいる可能性もあります。しかし、壁の奥にある配管の劣化具合は、素人では判断しづらいものです。この場合は、一度業者に調査してもらったうえで、水栓を交換するか判断するとよいでしょう。
自分で水栓を交換する際の注意点
自分で水栓を交換する場合は、あらかじめ準備を整えておかなければいけません。必要な準備が整っていないと大きなトラブルを引き起こしたり、作業ができなくなったりするのです。ここでは、作業前に知っておくべき注意点や必要になる道具などについて解説します。
止水栓は必ず閉めること
水栓の交換作業前には、必ず止水栓を閉めるようにしてください。止水栓を開けたまま蛇口を取り外すと、勢いよく水が飛び出し周辺が水浸しになってしまうので注意が必要です。
壁付きの水栓など止水栓がない場合は、水道メーターのある元栓を締めることでご自宅全体の給水を止めることができます。止水栓は、バルブを時計回りに回すことで給水が止まる構造になっています。
蛇口交換に必要な道具をそろえておく
スムーズに水栓の交換作業するためには、必要な道具や工具はそろえておくべきです。必要なものがそろっていないと、途中で作業を中断しなくてはいけないだけでなく、その間は水道も使えなくなってしまいます。水栓交換に使うおもな道具は、以下の通りです。
- ドライバー類
- モンキーレンチまたはウォーターポンププライヤー
- シールテープ
- 歯ブラシ(使い古しのもの)
- 雑巾またはタオル
- バケツ
モンキーレンチやウォーターポンププライヤーはナットを回すために使う工具で、口の開きが段階的に調整できるのでメーカーを問わず使うことができます。どちらもホームセンターなどで1,500~2,000円前後で購入できます。またシールテープは壁付水栓などを取り付ける際に水漏れしないようにするためのもので、500円前後で市販されています。
基本的には、上記の道具で水栓を取り付けることはできますが、種類によってはドライバーではなく、六角レンチなどが必要になる場合があります。このため、交換に必要な工具はあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
蛇口のタイプを確認しておく
水栓のタイプは、まず「単水栓」と「混合水栓」の2つに大きく分類されます。単水栓は、水かお湯のどちらかしか出ません。いっぽう混合水栓は給水管と給湯管がそれぞれあり、温度調節が可能な水栓になります。
さらに取り付ける位置によって「壁付きタイプ」と「台付きタイプ」に分類され、給水管の穴の数でも「ワンホールタイプ」と「ツーホールタイプ」に分かれるのです。そしてハンドル部分も取っ手をひねるタイプやレバータイプがあるなどさまざまな組み合わせがあります。
このように水栓にはさまざまな種類があるため、取り替えるときは対応するものかどうか見極めをしなくてはいけません。たとえば、混合水栓だからといって必ずしもツーホールとは限りません。中には、ワンホールで取り付けられる混合水栓もあるのです。
ただし、壁付きタイプから台付きへの変更、またワンホールからツーホールの水栓に交換したい場合は、工事が必要になるので自分で取り付けるのはむずかしいでしょう。この場合は、業者に取り付ける工事を依頼するようにしてください。
単水栓の交換方法
水栓は、取り付けるタイプによって交換方法が異なります。ここからはタイプ別に分けて交換方法をご紹介していきます。単水栓は蛇口の中でも交換しやすく、コツさえつかめばそれほどむずかしくはありません。ここでは、壁付けの単水栓を例に挙げて交換手順を解説します。
1.止水栓を閉め配管内の残留水を出す
まずは、水栓交換の基本です。止水栓や元栓を閉めて給水を止めます。とくに屋内で水栓交換するときは、忘れないように注意しましょう。
そして、水栓を閉めても配水管内には水が残っています。そのまま作業をすると、水栓を外したときに勢いよく水が噴き出してしまいます。バケツを置くかタオルを敷いてからハンドルを開けて、蛇口を取り外すまえに単水栓の中にある水を出しておきましょう。
2.水栓を回して取り外す
水栓はモンキーレンチやプライヤーを使って固定を緩め、左回しにひねって取り外します。このとき、タオルなどを蛇口にかぶせながら作業をすれば、周囲を汚さずに済むはずです。
水栓を外したあとは、給水管内にシールテープが残っていることがあるので歯ブラシなどを使って取り除いておきます。そのまま新しい水栓を取り付けると、詰まりや水漏れの原因になるので丁寧におこないましょう。
3.シールテープを巻く
新しく取り付ける単水栓の接続部分に、水漏れを防止するためのシールテープを巻きます。ただしシールテープを巻くまえには、一度新しい水栓を取り付けて、何回転で固定されるか回転数を確認しておかなくてはいけません。
また、シールテープにも巻きかたのコツがあるので覚えておく必要があります。回転数を確認する理由やシールテープの巻きかたについては、このあとくわしく解説します。
4.新しい単水栓を取り付ける
新しい水栓を右回しで取り付けます。ここでの注意点は左に戻さないように取り付けることです。もし少しでも左に回したら、テープの巻き直しから始めなくてはいけません。こちらも、くわしい理由についてはあらためて解説します。
5.止水栓を開いて水漏れがないか確認する
新しい水栓を取り付けたら、元栓と止水栓を開けて水を出し水漏れがなければ交換作業は完了となります。もし、少しでも水漏れしている場合は、そのまま使用せず業者に依頼したほうがよいかもしれません。
壁付け混合水栓の交換方法
次に、壁付け混合水栓の交換手順について解説します。壁付けの混合水栓は取り付けにコツがいるので、単水栓よりも難易度が高くなります。
1.止水栓を閉める
混合水栓の場合も、単水栓と同じように止水栓や元栓を閉めておきましょう。壁付けの場合は、止水栓がないため、元栓を閉めておくようにします。
2.水栓を取り外す
混合水栓は左右にそれぞれナットがあるので、モンキーレンチやプライヤーで緩め水栓を取り外します。この場合も水栓を取り外す際は残留水が出るので、周辺を汚さないためにタオルなどを下に敷くかバケツなどを置いておきましょう。
3.クランクを外す
壁に残った左右それぞれのクランクを左に回して取り外します。固い場合はモンキーレンチやプライヤーを使いましょう。クランクを取り外したあとは、詰まりの原因となる配管に残ったシールテープを歯ブラシなどで掃除しておきます。
4.シールテープを巻く
単水栓を取り付ける場合と同じように、シールテープを巻くまえにはクランクの回転数を確認しておくことが必要です。とくに混合水栓の場合は、クランクが2つあるので、それぞれの回転数を覚えておかなくてはいけません。回転数を確認したあと、それぞれのクランクにテープを巻き付けます。
5.クランクと水栓を取り付ける
シールテープを巻いたクランクを、それぞれ壁に取り付けます。少しでも左に戻した場合は水漏れの原因になるので、シールテープの巻き直しをしましょう。
混合水栓の場合は配水管が2つあるので、両方とも左に回さないように取り付けるにはコツが必要です。このコツについては、あらためて解説します。新しい水栓を取り付けたあと、温水と冷水がそれぞれ水漏れなく出れば交換作業完了です。もし、自分で取り付けることに不安を感じる場合は、自分ではおこなわずにプロの業者に任せるようにしましょう。
台付き混合水栓の交換方法
続いて、台付き混合水栓の交換手順について解説します。台付きの水栓はシールテープを必要としない分、比較的簡単に水栓の交換ができます。ただし、給水管の穴の数や寸法などは、事前に確認して対応してものを取り付ける必要があります。
1.止水栓を閉める
台付きの混合水栓の多くは、台座の下につながっている配管に止水栓があります。止水栓は取っ手がついているものであれば、右回しで給水を止めます。またマイナスドライバーで閉めるタイプもあるので、くわしくは取扱説明書などを参考にしてください。
2.水栓と逆止弁を取り外す
台付き混合栓の場合、配管の止水栓付近に給湯と給水のホースを接続しているナットがあるので、モンキーレンチやプライヤーでそれぞれを外します。そして水栓の固定ネジを外したあと水栓全体を台座から引き上げます。
水栓を取り外す際は残留水で汚れるのを防ぐために、タオルなどを下に敷いておきましょう。それぞれのホースを取り外したあとに残った逆止弁も同じように取り外します。
3.新しい台座と水栓部分を取り付ける
新しい水栓は、取り外したときと逆の要領で取り付けていきます。逆止弁を取り付けて、水栓のホースを通したあと、それぞれのホースを結合します。このとき、給水ホースと給湯ホースを逆に取り付けないよう注意しましょう。
そして止水栓を開いて温水と冷水をそれぞれ正しく出るかを確認します。最後に台の下で結合した部分も確認して、水漏れがなければ交換作業完了です。
台付きの水栓は、種類によって配管の数や穴の寸法が異なります。新しく取り付ける水栓が古いものと同じであれば、ほとんど問題はないでしょう。しかし対応した水栓がわからないまま自分で取り寄せると、選択ミスをして取り付けられないトラブルが起きるおそれがあります。
とくに違うメーカーの水栓を取り付ける場合は、対応したものを選ばなくてはいけません。メーカーや品番がわからない場合は、新しい水栓にどれを選んだらいいか困ることもあるでしょう。こうしたトラブルのリスクを避けるためには、専門の業者に依頼するのが得策です。業者であれば対応した水栓を選んで、失敗することなく取り付けしてくれるはずです。
水栓の取り付けにはコツが必要
キッチンなどの台座付きの水栓であれば、比較的簡単に自分でも取り付けることができます。しかし壁付き水栓の場合は、水漏れを起こさないようにするためのコツがあるのです。ここでは、シールテープの巻きかたと取り付ける際の注意点やポイントについて解説します。
水漏れを防ぐにはシールテープの巻きかたが重要
シールテープは、巻きかたを間違えてしまえば水漏れを起こしてしまうため、正しく巻く必要があります。水漏れしないようにテープを巻くには、いくつかポイントがあるので、ここでしっかり覚えておきましょう。シールテープを巻く手順は、以下の通りです。
1.ネジ部分の汚れを拭き取る
壁と結合するネジ部分に油やゴミなどが付着したままテープを巻くと、ネジとテープの間にすき間ができて水漏れの原因になります。またシールテープの先端にシワやねじれがあるのもよくないので、きれいに切り整えておくのもポイントです。
2.シールテープを巻く
シールテープは、ネジ山の2つ目から始めます。ネジ山の先端から巻き始めると、水漏れだけでなく詰まりの原因にもなってしまいます。テープは、ネジの先端を正面にして必ず右回りで4~5回巻きます。テープを左に巻くことや巻く回数が多くても少なすぎても、水漏れの原因になるので注意しましょう。
3.ネジ山にシールテープをなじませる
親指と人差し指を使ってシールテープをネジ山に沿って押さえます。指を立てて爪で押さえると、シールテープが破れるおそれがあるので避けてください。
そしてシールテープを巻いた水栓を取り付けるのにもコツが必要になります。
水栓を取り付ける際の注意点
水栓を取り付ける際に注意しなくてはいけないのは、左回しで戻さないことです。位置を調整したいからといって、水栓を回している途中に少しでも左に戻してしまうと、シールテープの効果が弱まってしまい水漏れの原因になってしまうのです。この場合はシールテープを巻き直す必要があります。
とくに壁付きの混合栓は給水管が2つあるため、両方のクランクの高さをそろえる必要があり、左に回さないように床と平行に取り付けるにもコツが必要になるのです。効率よく水栓を取り付けるには、まずテープを巻くまえに回転数を確認しておきましょう。
テープを巻いていない状態でクランクを取り付けて、何回転で固定されるか回転数を覚えておいてください。回転数を確認しておかないと、途中でクランクが固定されて水栓が取り付けられなくなってしまいます。クランクが固定されてしまったら、左に回すことになるので、テープを再度巻き直さなくてはいけません。
このため、テープを巻いたクランクを取り付ける場合は、回転数を確認したときより1回転減らしたところで止めるのがポイントになります。たとえば、テープを巻くまえの回転数が5回転だったなら、テープを巻いたあとは4回転で止めるのがよいというわけです。
ただし、混合水栓の場合は配管が2つあるので、片方のクランクだけ先に固定してしまうと、あとから調整ができなくなってしまいます。そのため、両方のクランクを微調整できるように余裕を残し、「への字」になるようにしておくのがポイントです。
そこに水栓を取り付けると、右下がりの状態になります。この「への字」になった状態からクランクを左に回さないように注意しながら、床と平行になるように「八の字」に調整します。ナットで固定して、水漏れがないか確認できたら取り付け作業の完了です。
交換作業に不安を感じたら迷わず業者に依頼しよう
さきほども解説したように、シールテープの巻きかたや水栓の取り付けかたにはコツがあり、間違った方法で取り付けてしまうと水漏れのおそれがあります。もし作業途中でも交換に自信がなくなったら、すぐに作業を止めて業者に依頼するようにしましょう。
専門の業者であれば、水栓交換のノウハウや高い技術力ももっています。正しい方法で取り付けてくれるだけでなく、素人がおこなうより手際よく作業をしてくれるため交換時間も短くて済むはずです。また業者に依頼すれば、自分で工具を購入する必要もありませんし、寸法や規格を間違えて水栓を購入してしまうといった失敗も避けることができるでしょう。
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