トイレの止水栓の閉め方|固くて回らない時の安全で正しい対策も紹介
水漏れをはじめとした水回りのトラブルがトイレで起こったとき、水を止めるために元栓や止水栓を閉めることがあります。しかし、トイレの止水栓は水を止めるだけでなく、出す水の量を調整する役割も持っているのです。知らなかった方も多いのではないでしょうか。
そして、いざトイレの止水栓を閉めようとすると、「トイレの止水栓が回らない!」「そもそもトイレの止水栓はどこ?」と困惑する方が、実は多いのです。今回のコラムではトイレの止水栓にまつわるトラブルやその対処方法などを詳しく、わかりやすくご紹介します!
目次
トイレの止水栓の役割
トイレの止水栓は、いったいどのようなはたらきをしているのでしょうか。この章では、トイレの止水栓の役割について詳しくご紹介します。
止水栓とは?
そもそも止水栓とは名前のとおり水を止めるもので、トイレ以外に洗面所やお風呂場、キッチンなどといった水回りにそれぞれ設置されています。それぞれの止水栓は特定の場所でしか機能せず、たとえばトイレの止水栓はトイレの水だけしか止めることができません。
なぜ止水栓が必要なのか
たとえば、水栓(蛇口)を小さな子どもとすると、止水栓はその親のような役割を果たしています。
顔を洗おうとして洗面所の水を出すとき、蛇口をひねって出しますよね。もしこの蛇口が壊れてしまった場合、止水栓を使って水を止めます。このとき、止水栓がなければ修理の際もずっと水が出続けてしまうのです。親が子どもを支えているように、止水栓も蛇口を支えています。
止水栓の役割は修理やメンテナンスのときに水を止めるだけではありません。トイレの止水栓に限っては水量の調整をおこなう役割をしています。止水栓を閉めずに修理をしてしまうと、タンクの中から水が溢れかえってしまうため、止水栓は閉めるようにしましょう。
水道の元栓との違い
「トイレの水を止めたいなら、水道の元栓を止めたらいいのではないか?」と思う方もいるでしょう。この章では、水道の元栓と止水栓の違いをご紹介します。
元栓は家全体の水を止めることができる
元栓は、家全体の水をつかさどる大黒柱です。家全体の水とつながっており、元栓を止めると家全体の水がすべて止まります。
水道の元栓がどこに設置されているかというと、戸建て住宅の場合は家の入り口や壁です。集合住宅は玄関付近にあり、どちらも水道メーターの中にあります。元栓の開閉方法には手で回しておこなうものや専用の道具を使うものがあります。
止水栓でも元栓でも水を止めることができますが、それぞれにメリット、デメリットがあるため、事前にチェックしておきましょう。
トイレの止水栓で水を止める場合の注意点
トイレの止水栓を使うメリットは、水漏れしているタンクなどから離れずに水を止めることができるところです。対してデメリットとしては、長年使用せずに劣化したパッキンから水漏れが発生するおそれがあることです。不安な場合は元栓を閉めたほうがいいでしょう。
水道の元栓から水を止める場合の注意点
水道の元栓を閉めて水を止めるメリットは、止水栓からの水漏れを防ぐことができることです。デメリットとしてはトイレの水だけを止めたいにも関わらず、キッチンや洗面所など、ほかの場所もすべて水が止まってしまうことでしょう。
トイレの止水栓はどこ?探すときのポイント
トイレの止水栓は修理やメンテナンスなどをしない限り、あまり使うことはありませんよね。そのため、トイレの止水栓がどこにあるのかわからないという方も多いでしょう。この章ではトイレの止水栓の場所、探しかたについてご紹介します。
まず、止水栓がある場所はトイレのタイプによって異なります。ご自宅のトイレがタンク式の場合はトイレの脇にある壁面に、タンクレスの場合は便座下のパネル内部に設置されています。思い当たる場所はあったでしょうか?
トイレの止水栓には2つあります。トイレの止水栓とウォシュレットの止水栓に分類されるため、間違えてウォシュレットの止水栓を止めてしまわないように注意が必要です。「どこにあるかわからない!」という方は元栓を閉めるか、業者への相談を検討してみましょう。
トイレの止水栓の閉めかたと開けかた
トイレの止水栓を開閉したことがなく、どのように開けるか分からない方も多いのではないでしょうか。この章では、トイレの止水栓の開閉方法についてご紹介します。
トイレの止水栓の閉めかた
まずは下記の道具を用意しておきましょう。
- ゴム手袋
- ビニールシート
- マイナスドライバー
事前準備として、作業を始める前に水はねを防ぐためのビニールシートを敷きましょう。ゴム手袋をつけ、マイナスドライバーで止水栓を右に回すことで、水を止めることができます。
また先にも述べましたが、トイレの止水栓は水を止めるだけでなく、水量を調整する役割も持っています。止水栓を閉めるときは「何回止水栓を回したか」を覚えておきましょう。回した回数を覚えておくことで、元に戻したときに同じ水量を再現することができます。
トイレの止水栓の開けかた
トイレの水を出したいときは閉めるときとは反対の方向、すなわち左へ回しましょう。あまりに止水栓を開けすぎると、タンクから水が溢れてしまうため注意が必要です。反対に、閉めすぎてしまうとトイレのタンクに水が溜まりにくくなるなどのデメリットがあります。
ちょうどよい止水栓の開け具合を保つために、何度回したかをしっかり覚えておくとスムーズに元に戻せるでしょう。念のため、メモなどを残しておくことをおすすめします。
トイレの止水栓が回らないときの正しい対処
「トイレの止水栓を回そうと思ったら、固くて回らない!」止水栓はずっと使っていると劣化し、固くなってしまうことがあります。こんなとき、無理に開けようとすると故障のリスクもあり危険です。トイレの止水栓が回らないときの注意点、対処法をご紹介しましょう。
止水栓が破損した場合のリスク
止水栓にサビ、腐食などが見られるときは注意が必要です。強引に止水栓を開閉してしまうと、劣化した止水栓や配管が破損し、水が大噴出してしまうおそれがあります。そうでなくても、力任せの作業は破損の原因となり危険ですのでやめておきましょう。
止水栓が固い!固着修理法
固くなってしまった止水栓は、ドライバーやモンキーレンチなどの工具を利用すると回しやすいです。ドライバーの持ち手にモンキーレンチを噛ませて回せば、力も込めやすいでしょう。とはいえ、力を込めすぎると破損のリスクもあります。注意は必要でしょう。
元栓で水を止めて修理業者に依頼
止水栓が劣化などによって回らなくなってしまったときは、修理を業者に依頼する必要があります。そのあいだも水漏れは進行してしまうため、元栓を閉めてひとまず被害を食い止めましょう。水道の元栓を閉めたあと、業者を探して修理を依頼するという流れです。
止水栓の修理や交換は水回り関係の修理業者全般が対応しています。水回りの業者とひとくくりにいっても、たくさんあって迷ってしまうかもしれません。そんなときは次の7つのポイントを参考にしてみましょう。
- 相談や見積りが無料
- 24時間365日受付対応している
- 実績があって、技術の高いスタッフを指定できる
- 価格が相場に基づいている
- 口コミや評判がよい
- 保証期間が長い
- 修理、交換後のアフターフォローが充実している
多く当てはまれば当てはまるほど、信頼して依頼しやすい業者といえます。水回りは生活の中で使用回数が多く、大切な場所なので妥協(だきょう)せずに業者を選ぶことが大切です。
止水栓が見つからない人へ……元栓の閉めかた
止水栓がどこにあるか見つからない場合は、元栓を閉める必要があります。この章では、元栓の場所や閉め方についてご紹介しましょう!
水道の元栓はどこ?場所と閉めかた
水道の元栓は戸建・集合住宅によって設置されている場所が違います。戸建住宅の場合は家の入口や壁、屋外に水道メーターのボックスが設置されています。その中にあるのが元栓で、一般的には水道メーターと並んでいます。
また、戸建て住宅の元栓は回して止めるものやひねって止めるものがあり、どちらも右側に回すことで水を止めることが可能です。
集合住宅の元栓はほとんどの場合、玄関横にある水道メーターの中に設置されています。場合によっては、隣の部屋と同じ元栓である可能性もあります。もしも見つからない場合は、大家さんや管理人に聞いて確認してみましょう。
どちらも中途半端に閉めると水がでてきますので、しっかりと閉めることが大切です。
元栓が閉まったかチェックする方法
しっかり元栓を閉めたつもりでも、実は閉まりきっていないことがあります。そんなときはトイレのレバーを回して、便器の中の水を流します。タンクのフタを開けて、タンク内に水がでていなければOKです。もし水が少しでも出ている場合は、元栓を確認しましょう。
もし元栓も回らなかった場合は?
元栓も止水栓も回らない場合は、修理・交換をする必要があるかもしれません。この章では、元栓も止水栓も回らなかったときの修理方法についてご紹介します。
バルブ式の元栓の固着修理方法
まず、バルブ式の元栓はペンチなどの工具を使って修理しましょう。工具が手元にない場合はタオルなどをバルブにかぶせて回しましょう。タオルが滑り止めになってくれるので、素手でそのまま回すよりも、強い力を込めることができます。元栓はしっかり閉めないと水が出てきてしまうため、元栓を開けたら固く閉めなおしましょう。
ハンドル式の元栓の固着修理方法
ハンドル式の元栓はトンカチとマイナスドライバーを使って回しましょう。ハンドルに当てたマイナスドライバーをトンカチでたたいて動かすことが可能です。開けた元栓は手で回して閉めることができます。水が出てこないようにしっかり閉めなおしておきましょう。
元栓トラブルは水道局だけが対応できる
止水栓はさまざまな水回りの業者が対応可能ですが、元栓は違います。元栓は水道局の管理下なので、業者に依頼しても問題は解決できません。元栓トラブルは水回りの業者ではなく、水道局にて料金や施工内容を確認しましょう。
覚えておこう!トイレ以外の止水栓はどこにある?
トイレ以外に、主に止水栓が設置されている場所をご紹介します。洗面所の場合は洗面台やカウンター下に止水栓が、キッチンはシンク下に止水栓が設置されています。
お風呂の止水栓は、壁に付いているものや浴槽のフチに組み込まれているものの2種類です。安定した温度のお湯を出すことができるサーモスタット式水栓や、浴槽にちょうどの量のお湯を入れる定量止水付水栓など、部品もさまざまあります。
まとめ
ここまでトイレの止水栓が回らない、水道の元栓がどこにあるかわからないなど、止水栓や元栓のトラブル対策についてご紹介してきました。
どちらも水を止めるものですが、元栓と止水栓はどこの水を止めるかによってその役割が異なります。たとえば、家全体の水は元栓を閉めトイレだけ、キッチンだけなど部分的に水を止める場合は止水栓を閉めましょう。
しかし、止水栓の状態が劣化しているなど、場合によっては元栓を閉めたほうがいい、またはその逆もあります。ご自宅の元栓、止水栓の様子を見て判断するようにしてください。