トイレのタンクが故障したときの解決法|症状から原因を特定しよう
トイレのタンクが故障したとき、自分で修理することが可能なケースがあります。修理をはじめる前に、まず原因を探す必要があるのですが難しいと思われる方も多いことでしょう。しかし、わずか5つの箇所をチェックするだけで簡単に原因を探し当てることができます。
このコラムではトイレタンク故障の原因を探す5つの方法と、それぞれの修理方法をご紹介します。しかし、トイレタンク内の構造は複雑で、普段目にしない部品がたくさん使われています。故障の原因と修理方法を紹介されても、自分で直せる自信がない方もいらっしゃることでしょう。
そこで、修理業者に依頼を検討される方のために、修理費用の相場もご紹介していきます。自分で直す方だけでなく、業者に修理を依頼する方もこのコラムを読んでタンク故障の早期解決にお役立てください。
目次
- ▼トイレのタンクが故障した!症状から原因を特定しよう
- ・【症状1】タンクから水が溢れている
- ・【症状2】手洗い器やタンクのふたの隙間から水がポタポタ
- ・【症状3】水が出続けていて止まらない
- ・【症状4】レバー付近から水漏れ
- ・【症状5】止水栓・給水管から水漏れ
- ▼トイレのタンク修理法5つを解説
- ・【修理1】タンクから水が溢れている場合
- ・【修理2】手洗い器やタンクのふたの隙間から水がポタポタの場合
- ・【修理3】水が出続けていて止まらない場合
- ・【修理4】レバー付近から水漏れしている場合
- ・【修理5】止水栓・給水管から水漏れしている場合
- ▼「自分で修理は難しい」そう感じたらプロに頼ろう
- ・トイレタンクの故障を放置すると……
- ・トイレタンク修理の費用はどれくらい?
- ・自分での修理は余計に事態を悪化させることも
- ▼タンクからの水漏れを予防するためには?
- ・日ごろからのメンテナンスを忘れずに
- ・業者に依頼するときは「どこで」「どのような」水漏れが起きているか伝えよう
- ▼まとめ
トイレのタンクが故障した!症状から原因を特定しよう
トイレの故障を修理するには、まず原因を特定することからはじめます。トイレタンクの故障には大きく5つの原因があります。症状ごとに詳しく確認していきましょう。
【症状1】タンクから水が溢れている
タンクから水が溢れているときは、ボールタップの故障かオーバーフロー管のつまりが考えられます。
ボールタップとは、タンクへの給水装置のことです。ボールタップに付いている浮き球がタンク内で浮き沈みすることによって、水を供給したり止めたりしています。このボールタップが故障すると浮き球が正しく浮き沈みできなくなり、タンク内に水を供給し続けるためタンクから水が溢れます。
オーバーフロー管は、タンク内で増えた水を便器に流す管です。このオーバーフロー管がつまると、タンク内で溢れた水を逃がすことができないため水が溢れます。
ボールタップやオーバーフロー管に異常が認められないときは、ピストンバルブの故障も考えられます。ピストンバルブとは、浮き球の根元についた円筒形の部品です。浮き球の上下によって水を流したり止めたりするバルブを操作する役目があります。
【症状2】手洗い器やタンクのふたの隙間から水がポタポタ
手洗い器やタンクのふたの隙間から水が漏れているときは、整流スポンジの劣化や手洗い管の劣化が考えられます。
整流スポンジとは、タンクのふたに落ちた水をタンクに流すスポンジです。陶器タンクの内側にある樹脂タンクについています。整流スポンジが劣化して破れると水をタンクに落とせなくなり、スポンジの切れ目から水がこぼれ出てきます。
手洗い菅は、給水管から流れてきた水をタンクのふたに落とす管です。手洗い菅と給水管を接続するナットの緩みや、接続パッキンの劣化からできた隙間によって水が漏れることがあります。
【症状3】水が出続けていて止まらない
便器内に水が流れ続けたり、水が出る音が止まらなかったりするときはさまざまな原因が考えられます。故障の原因をひとつずつ見ていきましょう。
・ポールタップの故障
ポールタップは先述のとおり、タンクへ水を供給する装置です。ボールタップが故障するとタンク内に水が供給され続けるため、常に水が流れる音がします。
・ゴムフロートの鎖の故障
ゴムフロートは、タンクの底にある球状のゴム部品のことです。ゴムフロートは、排水弁と呼ばれるタンク内の水を便器に流すための穴を塞いでいます。ゴムフロートとレバーは鎖でつながっているため、レバーを引くことで鎖によってゴムフロートが浮き上がり、排水弁を開けるという仕組みになっています。
この鎖がタンク内部でほかの部品と絡まると、短くなった鎖は常にゴムフロートを引っ張って排水弁を開けた状態にするため、タンクの水が便器に流れ続けます。
・ゴムフロート自体の故障
ゴムフロートが摩擦や傷によって、形が変わると隙間からタンクの水が便器に流れ続けます。
・オーバーフロー管の故障
オーバーフロー管は先述のとおり、タンクのなかで増えすぎた水を便器に流す管です。このオーバーフロー管が途中で折れたり根元が破損したりするとタンク内部の水が便器に漏れ出します。この場合、必要以上に便器内に水が流れるため、便器から水漏れを起こすおそれがあるのです。
・レバーの故障
レバーの軸が変形したり折れたりすると、レバーが元の位置に戻らなくなってしまいます。レバーは先述のとおりゴムフロートを持ち上げる役割もあります。レバーが元の位置に戻らないとゴムフロートも常に持ち上げられている状態になりますから、水が流れ続けることになります。
・水位の異常
オーバーフロー管にあるWLという表記の位置が正しい水位です。このラインを超えているときはタンクの給水装置に原因があるため、ボールタップを確認してください。
水位が低下しているときは排水装置に原因があるため、レバーや鎖、ゴムフロートを確認しましょう。このように、水位の高さによってある程度タンク内のどの部品が原因かを特定することができます。
【症状4】レバー付近から水漏れ
レバー付近からの水漏れは、レバーに使われているパッキンの劣化が考えられます。劣化によってパッキンが擦り減ると、本来パッキンが塞いでいた接続部に隙間ができて、そこから水漏れが発生します。
【症状5】止水栓・給水管から水漏れ
給水管は水道管から便器に水を送る管です。また給水管の途中には止水栓といって水の供給を止めるバルブがあります。マイナスドライバーの差込口のようなバルプが止水栓です。
これらの管や栓を接続する部分にはナットやパッキンなどの部品が使われています。長年のトイレの使用によってこのナットやパッキンが緩んだり劣化したりすると隙間が生じて水が漏れます。
トイレのタンク修理法5つを解説
故障した原因が判明したところで、修理方法を確認していきます。すべての修理に共通していえることは3つあります。止水栓を閉めること、修理中に細かい部品をなくさないこと、適合する部品を選ぶことです。この3つをふまえたうえで、それぞれの修理方法について確認していきましょう。
【修理1】タンクから水が溢れている場合
まずは、部品の接続不良やゴミの付着がないかどうか確認します。ボールタップと浮き玉の接続が緩くなっている場合は締め直しましょう。オーバーフロー管にゴミが付着してつまっているときはゴミを取り除きましょう。
接続不良やオーバーフロー管の詰まりなどが見当たらないときは、ピストンバルブの劣化が考えられるので、新しいものに交換しましょう。ピストンバルプ交換の手順を以下に説明します。
ピストンバルブ交換- 止水栓を閉めてタンク内から、レバーを操作してタンクの水を空にする。
- タンクのフタを外す。
- ピストンバルブを外す。 ボールタップとピストンバルブを接続しているネジと、ピストンバルブと接続する屈折アームを浮き玉のほうへ引く。
- ピストンバルブを新品に交換する。
- 手順3を逆の手順でおこなってピストンバルブをボールタップに接続する。
- 止水栓を開きレバーを操作して、オーバーフロー管のWLの位置まで給水する。
【修理2】手洗い器やタンクのふたの隙間から水がポタポタの場合
整流スポンジや手洗い管のパッキンが劣化しているときは新品と交換します。まず、ホームセンターなどで新品の整流スポンジとパッキンを購入しましょう。整流スポンジはタンクのフタを外すとすぐに見つかります。手洗い管のパッキンは、給水管の接続部分を探してみましょう。
それぞれの場所が確認できたら、手で取り外して用意した新品を取り付けるだけです。取り外しと取り付け作業に関しては、手で簡単におこなうことができます。
【修理3】水が出続けていて止まらない場合
水が出続けて止まらないという場合、タンク内の水位が高くなっていることが考えられます。そのため、タンク内の水位を正常な位置まで下げて水を止める必要があります。水位を調節するには、まず浮き球を手で持ち上げてみましょう。
浮き球を持ち上げて水がとまればボールタップは正常です。このようなときは水位調節リングを回すと水が止まります。
水位調節リングは、ボールタップの付け根にあるネジのことです。ペットボトルのフタのようなギザギザがついた見た目をしています。水位調節リングを左に90度回すと水位が1センチメートル低くなります。
浮き球を持ち上げても水が止まらないときは、ボールタップが故障しているため交換します。
【修理4】レバー付近から水漏れしている場合
レバーを取り外してパッキンを交換します。タンクのフタを開けて、タンクと固定されたレバーを取り外してからパッキンを交換します。手順は以下をご覧ください。
- 止水栓を止めたうえで、レバーを操作してタンクの水を空にする。
- タンクのフタを開ける。
- ゴムフロートとつながったレバーの鎖を外す。
- レバーを固定したナットを外す。
- レバーを引き抜く。
- 新しいレバーの突起をタンクの穴に合わせるようにタンクに付ける。
- タンクの内側からパッキンを付けてナットを締める。
- 鎖をレバーに付ける。
- 止水栓を開ける。
※水がオーバーフロー管のWL位置に来るように、浮き球を手で押し下げて少しずつ止水栓を開けることがポイント。 - タンクのフタを閉めて、レバーが正常に作動するか確かめる。
交換作業中に水が溢れないように、必ず止水栓を止めてください。回転数を覚えておくと、開くときに正しい量を開けることができます。レバーの脱着時には部品をなくさないように注意してください。
【修理5】止水栓・給水管から水漏れしている場合
止水栓や給水管を固定しているナットを締めたり、劣化したパッキンを交換したりしましょう。給水菅にはたくさんの水が流れているため、必ず止水栓を締めてから修理をはじめてください。
トイレの部品は複雑です。また適合する部品を自分で用意しなくてはいけません。初めて修理する人やトイレの構造に詳しくない人はプロに修理を依頼したほうが賢明といえるでしょう。
「自分で修理は難しい」そう感じたらプロに頼ろう
トレイの故障は放置をしておくと、のちのち状況が悪化したりほかの家庭に迷惑をかけたりと大事になるおそれもあります。そのため、軽微な故障でも早期に対処していく必要があります。しかし、トイレの修理には構造を理解して、初めて見るような部品を正確に扱う必要があるため、意外に難しそうだと感じる方も多くいるでしょう。
そこで、この章ではトイレタンク修理を業者に依頼した際の費用相場をご紹介します。修理費用がどれくらいかかるのか不安に思われる方は、参考になさってください。
トイレタンクの故障を放置すると……
トイレタンクの故障を放置すると、カビの発生や建材の腐食につながります。マンションの場合、漏れ出した水が階下に到達するとほかの人に迷惑をかけるおそれもあります。
「ちょっとぐらいの故障なら放置しておこう」と考えてしまう方もいらっしゃるでしょう。しかし、放置したときのリスクを考えて、できるだけ早く修理するようにしましょう。
トイレタンク修理の費用はどれくらい?
トイレタンク修理の費用相場を見ていきましょう。
- ・ゴムフロート交換:8,000円~12,000円
- ・ボールタップ交換:8,000円~12,000円
- ・タンク交換:8,000円~15,000円
- ・フロートバルブ交換;8,000円~12,000円
- ・浮き球修理:8,000円~12,000円
- ・鎖の修理:8,000円~12,000円
こちらの費用は相場であり、あくまでも目安として参考にしてください。トイレタンクの修理費用は、一概にこのくらいかかると提示することが難しいです。なぜなら交換するパーツや修理方法によって費用が変わってくるからです。
では修理を依頼する前に費用を知る方法はあるのでしょうか。それは、業者に現地調査や見積りを依頼することです。現地で業者から故障の原因と作業内容の説明を受けましょう。その後料金の見積りを提示してもらい上記の相場とも照らし合あわせて納得がいく料金だと思えば正式に依頼しましょう。
自分での修理は余計に事態を悪化させることも
前章で説明したとおり、トイレは構造が複雑で細かい部品がたくさん使用されているため、自分で修理するのが困難な場合があります。そのためトイレの修理は業者に任せたほうが安心です。
プロはトイレの構造を熟知し豊富な修理経験をもっています。故障の原因をすぐに突き止めて適切な作業をおこなってくれます。また、自宅で使っているトイレに合う部品を用意してもらえるため、自分でホームセンターなどに出向いて部品を購入する手間もなくなります。
弊社では、豊富な修理経験をもった加盟店と多数契約しております。お電話いただければ迅速にタンクの故障でお困りの方のもとへ修理業者は派遣します。弊社は24時間365日全国から電話対応となっておりますので、いつでもご連絡いただけます。突然のトイレタンク故障でお困りの方は今すぐご連絡ください。
タンクからの水漏れを予防するためには?
トイレタンクが大きな故障を起こす前に、予防や早期発見ができればそれに越したことはありませんよね。そこで最後に日ごろからできるトイレのメンテナンス方法をご紹介します。
また日ごろからこまめにトイレを観察しておけば、万が一大きな故障が発生して、業者に修理を依頼することになっても、「どこで」「どのような」水漏れが発生しているのか伝えやすくなります。
日ごろからのメンテナンスを忘れずに
トイレ掃除と部品の点検をしましょう。故障の予防や早期発見に役立てることでしょう。
トイレ周りを掃除しておけば、給水穴からホコリがタンク内に入り込むことを防げます。タンク内の部品にゴミがつまるトラブルを防げるでしょう。
オーバーフロー管や浮き球にゴミが付着していれば取り除いてください。鎖がほかの部品とか絡まっていれば直しましょう。整流スポンジやゴムフロートが劣化していないかも確認してください。
給水パイプや手洗い管もがたつくときは、接続不良が考えられますからボルトやナットを閉めましょう。
業者に依頼するときは「どこで」「どのような」水漏れが起きているか伝えよう
日ごろからトイレをチェックしていれば、自分で対処できない故障が起きても業者に「どこで」「どのような」水漏れが起きているか伝えやすくなるメリットがあります。
業者に修理を依頼するとき、故障個所や原因を伝えるとスピディで正確な修理を期待できます。
故障個所や原因がわかっていれば、業者は事前に工具や部品を用意して現場に駆け付けることができます。修理に必要と思われる部品をもってきてくれる可能性も高くなるため、部品を調達する時間を省くことができるでしょう。
トイレは毎日の生活に必要不可欠なものです。日ごろからメンテナンスをしっかりおこなって突然の大きな故障を未然に防いでいきましょう。
まとめ
トイレタンクが故障したときは5つのポイントまず確認してみましょう。修理をするときは止水栓を止めて、部品を無くさないように注意してください。
しかしトイレタンク内部の構造は複雑なため、誤って壊してしまうおそれがあります。自分でトイレタンクを修理することに不安がある方は、修理業者に依頼しましょう。
修理業者は、トイレ故障の修理経験やトイレの構造についての知識が豊富です。業者に依頼することでトイレタンクの故障を速やかに解決してくれるでしょう。