お風呂のつまりの原因と解消方法!排水口の掃除でつまりを予防しよう
悪臭、水が流れない、逆流する……お風呂のつまりを解消するためは、つまっている場所と原因を知ることが重要です。つまっている場所が排水溝なら掃除をすることで解決することもあります。ヘドロのような汚れなら薬剤、固形物ならスッポンを使うなど原因物質によって適した対処法があるのです。
この記事では、お風呂の排水のしくみや原因別の解消方法、つまり予防についてもご紹介します。排水溝の外し方も解説しているので、今後のお掃除にもぜひ役立ててください。
また、蓄積された頑固な汚れによるつまりは、業者による特殊な機材や強力な洗剤を使わないと解決できないこともあります。業者に依頼するべきケースや費用相場についても解説しているので参考にしてみてください。
ご自宅のお風呂つまりの状況から適した対処法を見つけてトラブルを解決してくださいね。
お風呂の排水のしくみ【排水トラップ】
お風呂の排水溝がつまると、「水が逆流してきた」「水の流れが悪い」「排水溝からいやな臭いがする」といった症状が出てきます。
お風呂のつまりを解消するためには、原因物質の除去をしなくてはいけません。まずは排水構造を知ることで、つまる原因や今後の予防、掃除のイメージもしやすくなるでしょう。
お風呂の排水溝がつまりやすい理由は複雑な構造をした配管です。お風呂場の排水溝は洗い場側とバスタブ側のふたつあり、それぞれに配管が通っているように見えますが、地下では同じ下水管につながっています。
排水管は地下に埋まっているので見えにくいのですが、じつは直線的な構造ではなく屈折した作りになっています。その理由は、いちど排水管へと流れた水やニオイが逆流しないようにするためです。しかし、その複雑な構造がお風呂場の湿気や汚れをたまりやすくさせていて、つまりを引き起こしてしまうのです。
つまりが起きやすい場所は、お風呂の水が流れていく排水溝と排水管です。排水溝であれば自分でも手が届き対処できることもありますが、もっと奥の排水管となると自分の手には負えないことが多いでしょう。
排水トラップ
排水溝から排水管につながる構造を排水トラップといいます。お風呂の排水溝のフタを開けるとヘアキャッチャーがついていて、その下には封水筒や排水ピースといったパーツがあります。この排水の入り口部分にも汚れがたまりやすいため、分解して掃除する必要があるのです。排水トラップの掃除方法については記事の最後にご紹介します。
排水トラップの外し方
排水溝にあるカバーは指をひっかけるだけで外れます。その下のヘアキャッチャーと封水筒も、くるりと回すと簡単に外れるものです。
ユニットバスと従来のお風呂では排水構造とトラップが違う
浴槽排水と洗い場排水が地下でつながり、排水管が直接外へとつながっています。 上記の図は、水をためる箇所がドラム型になっているドラムトラップです。ここに水がたまっていることで、下水管からの悪臭や虫が上がってこないというしくみです。ユニットバスはドラムトラップになっていて、最近の浴室はこの作りが多いでしょう。
従来のお風呂はワントラップ
一方、従来のお風呂は上記の図のような形のワントラップが使われています。排水トラップはお椀をさかさまにかぶせたような形状をしており、ドラムトラップに比べると、悪臭や虫が上がってきやすいというデメリットがあります。
浴室排水と洗い場の排水が別々で、床下の土間に水を流す作りです。つまりの原因も、ユニットバスで起きる髪の毛や石鹸カスよりも、土間材料や蛇口でよくみかける白く固まった物質、石灰化している炭酸カルシウムなどが多いようです。
その場合、炭酸カルシウムを除くことができればつまりは解消できます。しかしそれには特殊な薬剤が必要で、溶けるまでの時間がかかります。業者では、そこから専用機材で外の排水管から水を流し、炭酸カルシウムなどの除去をするのです。
排水管
浴槽や洗い場の排水溝を通った水は、排水管へと流れていきます。排水溝から流れていったつまりの原因物質が排水管の内部にとどまり蓄積することで水の通り道を狭くしてしまうと、お風呂でつまりが生じてしまうのです。
排水マス
排水マスは、排水管の中に流れ込んだ汚れやゴミなどを下水に流さないために下水管との境に設置されているものです。排水マスにたまったゴミなどをそのままにしてしまうと、下水へ流れるはずの水がお風呂に逆流してしまうおそれがあるのです。
また、地盤沈下によって排水マスにつながる排水管の角度がずれてしまうことでもつまりが発生します。このような状況は自分では直すことができないため、業者に依頼する必要があるでしょう。
【原因別】5つのつまり解消方法
お風呂のつまりの原因はおもに「髪の毛」「石鹸カス」「皮脂やアカ」「ヘドロ」「固形物」の5つです。それぞれの原因物質を取り除くことでつまりを解消することができるでしょう。
ここからは、つまりの原因物質を取り除くための掃除方法や道具をご紹介します。排水溝の入口付近の軽度なつまりなら自分でも解消できることもあるので、以下を参考にしながら試してみてください。
つまりの原因物質 | 対処法 |
石鹸カス | クエン酸 |
皮脂・アカ | 重曹 |
ヘドロ | 重曹+クエン酸 |
髪の毛 | ワイヤーブラシ+液体パイプクリーナー |
固形物 | ラバーカップ |
石けんカス:クエン酸
ボディソープやシャンプー、トリートメントの流れきらなかったカスが蓄積されるとつまりの原因になります。白っぽい汚れであれば、石鹸カスの可能性が高いでしょう。これらはアルカリ性の汚れなので、酸性の「クエン酸」で除去できます。クエン酸は薬局やスーパーで手に入ります。
空のスプレーボトルにクエン酸2:水1を入れて混ぜます。石鹸カスが溜まっているところにスプレーして汚れを浮かせたら、ブラシなどでこすって汚れを落としましょう。
皮脂やアカ:重曹
体から出る皮脂やアカは、酸性の汚れです。酸性を中和させるためにアルカリ性の重曹を使いましょう。重曹は、赤カビやヌメリにも効果を発揮してくれます。
空のスプレーボトルに水100mlと重曹小さじ1を入れて混ぜます。汚れている場所にスプレーしたら、スポンジなどでこすり洗いをしましょう。
ヘドロ:重曹とクエン酸
ヘドロはさまざまな汚れが混ざり合ってできた汚れです。このヘドロが悪臭の原因にもなるので、しっかり落としておきましょう。
石鹸カスと皮脂、両方に効くように重曹とクエン酸を一緒に流してしまいましょう。両方とも自然成分なので、安心して混ぜて使えます。 液体タイプや錠剤タイプなどが市販されているので、使いやすい商品を選ぶとよいでしょう。
用意するもの
重曹1:クエン酸2
40~50℃程度のお湯
- 1. 排水トラップのパーツを外す
- 2. 排水溝に重曹を振りかけてからクエン酸を流す
- 3. 数十分ほど放置する
- 4. 最後にお湯を入れてよく流す
髪の毛:ワイヤーブラシ+液体パイプクリーナー
髪の毛などがこびりついた汚れは、道具と薬剤を併用することで効率的に取り除くことができます。汚れを落とすのに使うワイヤーブラシとは、100均でも手に入る排水溝用のゴミ取りワイヤーです。
ワイヤーブラシで汚れをかき出す
ワイヤーブラシを排水溝に挿入してください。サイドに沿ってくるくるとワイヤーを回していったり、先端でかき出したりすると髪の毛がひっかかり取れます。
液体パイプクリーナーで汚れを溶かす
髪の毛はタンパク質で、アルカリ性の洗剤で溶かすことができます。 このとき「次亜塩素酸ナトリウム」という成分が入っている種類を選んでください。また、裏の成分表を確認すると、水酸化ナトリウムの配合(%)が載っています。数値が1%以上のものは液体の粘度が高く、より髪の毛を溶かしてくれます。
パイプクリーナーの容器に記載された使い方をよく読んでから使用しましょう。液体を排水溝に流し、表示されている時間放置します。そのあとしっかりとお湯で流してください。 熱湯を流すと排水管にダメージが与えてしまうので、40℃くらいのお湯を使いましょう。
パイプクリーナーは劇薬!使用には気をつけよう!
パイプクリーナーは、「混ぜるな危険」と注意書きがされていることが多いです。とくに「次亜塩素酸ナトリウム」は塩素系で、酸性・酢・アルコールが混ざると有毒ガスが発生します。
パイプクリーナーを使用するときは、前後にほかの洗剤を流すことは絶対にやめてください。 また、パイプクリーナーを使うときは手袋を着用して、窓を開けよく換気をしましょう。
固形物:ラバーカップ
うっかりヘアピンや指輪、洗剤のキャップなど固形物を落として排水溝に流してしまうこともあるでしょう。固形物は、どれだけ待っても溶けたり分解されたりすることはありません。早く取り出さないと奥へ奥へと流れていき、自分では手の届かない排水管につまってしまうおそれがあります。
目に見える範囲に固形物があるようなら、ピンセットでつまんで取り出してください。ピンセットが入らないときや、固形物が目に見えないときはラバーカップを使うと取り出せるかもしれません。
ラバーカップはトイレのつまりでも使われる通称「スッポン」です。2種の形状があり、底に出っ張りがないお茶碗の裏返しのような形が排水溝用になります。 ラバーカップを排水口へまっすぐ下ろし、カップがへこむまで押し付けたら引いてください。この動作を何度か繰り返すことで落とした固形物が取り出せることがあります。
注意!
汚水の臭いがしたら作業をやめましょう 排水溝につながる配管内の水位があまりにも上昇していると汚水が溢れてしまうおそれがあります。
真空式パイプクリーナーで除去する
真空式パイプクリーナーは、ラバーカップと似た形状で柄の部分にレバーがついているもので、 ホームセンターなどで入手できます。吸引力が高い真空式パイプクリーナーは、ラバーカップで解決しない場合に試してみてもよいでしょう。
使い方はラバーカップと同じです。排水口へ先端を押し付けたら、上部のハンドルレバーを引いてから押します。この動作を数回繰り返してみましょう。
解消できない頑固なつまり!水漏れを引き起こすまえにプロに相談
髪の毛やヘドロが絡み合い、大きな塊となって流れをせき止めているなどの頑固なつまりや排水管で起きているつまりは、ご紹介した方法では解消できないこともあるでしょう。また、つまりが悪化すると室内に排水が逆流するなど水漏れを引き起こすおそれもあります。
重度のつまりは専用の道具がないと解決できないこともあるため、お風呂のつまりに対応する業者に相談することをおすすめします。
プロの道具でつまりを解決
つまりを除去する薬剤は市販されていますが、それでも取れないような頑固な汚れには業務用の「ピーピースルー」という薬剤が効果的です。インターネットでも購入することができますが、非常に強力な薬剤なので個人で使用するには皮膚の保護や使用方法などに注意が必要です。プロなら強力な薬剤でも安全に使用してくれるため、安心して任せることができるでしょう。
また、プロは専用の道具を使って重度のつまりを解決してくれます。そのひとつがラバーカップよりも強力な圧力が発生する高圧ポンプです。
ほかにも、排水溝つまりでよく使われる高圧洗浄機という道具があります。排水管の手が届かない場所までホースを入れて、水圧で内部を洗浄するものです。プロに任せれば、つまりの状況に適した方法で解決してくれることでしょう。
お風呂つまりの費用相場
つまり除去を業者に依頼するにあたって知っておきたいのが、作業にかかる費用ではないでしょうか。お風呂のつまり除去にかかる費用はつまりの状態や方法によって大きく異なります。ここではつまり解消の方法別に、目安となる費用相場をご紹介します。
方法 | 費用相場 |
薬剤 | 4,600円 |
ポンプ | 5,800円 |
高圧洗浄 | 21,160円 |
※上記の金額は、弊社が調査したお風呂のつまり解消それぞれをおこなう5つの業者のホームページに記載されている金額を平均して算出したものです。(2020年10月7日時点)
※依頼する業者やご自宅のつまりの状態によって金額は変動します。
作業費、道具費、ゴミ処理費がおもな料金となります。また業者によっては、出張費や夜間早朝の特別料金などかかることもあるようです。
詳しい費用や作業内容については、正式に作業を依頼するまえに見積りを取って確認しましょう。
賃貸マンション・アパートで排水溝つまりが起きたら
集合住宅にお住まいの場合は、より注意して早い対処をしなければいけません。排水溝がつまることで引き起こるのが「水漏れ」です。 水漏れがひどくなると、下の階にまで被害がおよぶおそれもあります。
費用負担などの責任問題も関わるため、賃貸アパートなどでお風呂のつまりが発生したら、放置せずに早めに対処しましょう。
弊社では、見積りを無料でおこなう業者をお探しいたします。お風呂のつまりで業者依頼を検討されている方は、お気軽にご相談ください。
お風呂のつまり防止にはこまめな掃除が有効
お風呂のつまりは排水溝に日々流れていく石鹸カスや皮脂、髪の毛などが蓄積されることで発生してしまいます。つまりを予防するためにはお手入れが欠かせません。ここからは、排水溝や排水管の掃除方法について詳しくご紹介します。日ごろからできる方法なので、ぜひ実践してみてください。
排水トラップの掃除方法
定期的に掃除をしておけば、突然つまりが起きたり悪臭が漂ったりすることもありません。最初にご紹介した方法で、 排水溝のパーツを外していきましょう。
- ・ゴム手袋
- ・マスク
- ・歯ブラシ
- ・排水溝掃除用のブラシ
- ・スポンジ
- ・掃除用の洗剤・薬剤
- ・パイプクリーナー
1.ゴム手袋とマスクをして、窓を開け換気よくする 2.排水溝のカバーを取り外す 3.バケツに浴室用の洗剤(薬剤)とお湯を入れて、カバーをつけ置きする |
4.ヘアキャッチャーを外し、たまっている髪の毛などのゴミを捨てる 5.封水筒を外す 6.封水筒についている目立つ汚れはお湯とスポンジで軽くこすって落としておく |
7.排水溝の中に手を入れて封水ピースも外し、同じく目立つ汚れは取り除いておく 8.ヘアキャッチャー、封水筒、封水ピースもバケツにつけ置く 9.お風呂の排水溝用のブラシで、排水溝の壁と浴槽へつながる通路をこすり洗いする ※このときにブラシなどの道具を排水溝の中に落とさないよう注意してください。 |
10.シャワーでお湯を流す 11.液体パイプクリーナーを排水溝へ流す ※パイプクリーナーを入れてブラシで汚れをこすると、汚れとクリーナーが混ざり悪臭がしやすくなります。なるべくクリーナーの前にブラシで汚れをこすり取っておいたほうがよいでしょう。また、汚れのかたまりは排水溝に流すとつまりの原因になってしまうため、取り除いてください。 |
12.指定された時間放置してからシャワーで流す 13.浴槽のほうからもお湯を流す 14.バケツにつけ置きしていたパーツは歯ブラシでこすって洗い流す 15.それぞれのパーツを元通りに組み立てる |
こまめな掃除をすることで、悪臭対策にもなります。家族が多いご家庭では、週に1度掃除をしておくと安心でしょう。
掃除を楽にするヘアキャッチャーやシート
排水溝にヘアキャッチャーがついていない方はぜひ取り付けてください。これがあるだけで、髪の毛などのゴミが排水溝に流れていくのを防止できます。 ヘアキャッチャー以外にも、ネットやシートも売られています。ヘアキャッチャーの上に貼ることで、より確実にゴミをキャッチできるのです。
お風呂のつまりの原因はさまざまです。初期段階であれば、ご自分でも道具を使って解決できるでしょう。 しかし、つまりの状態がひどくなるとブラシや洗剤で取り除くといった作業では解決できなくなってしまいます。
その状況で強力なパイプクリーナーを流しても、むしろ水が溢れてきたり、よけいにつまりがひどくなったりすることもあるでしょう。
「しばらく排水溝の掃除をしていない」
「排水溝のフタを開けるとドロドロで何も見えない……」
「どこで何がつまっているのかわからない」
「自分で掃除をしてみたけど解消されなかった」
そんなときは迷わずプロに依頼してつまりを解決しましょう。
お風呂のつまりでお困りの方は、ぜひ弊社にご相談ください。相談窓口は24時間受けつけております。つまりを解消して快適な浴室を取り戻しましょう。